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ライフサイエンスに関連する
広範なニーズに対応いたします

山梨大学発ベンチャー
株式会社MIOrder

株式会社MIOrder(マイオーダー)は、生命科学・分析化学・医療工学の知見を基盤に、価値ある医療・健康サービスを開発する企業です。
研究開発型の姿勢を貫き、自己採血による在宅型検査(生化学検査・遺伝子検査)や、分子レベルのバイオマーカー分析・オミクス解析、それらを用いた疾患リスク評価に関する多様なサービスを提供しています。

当社の開発チームには、医療機器の研究開発に携わってきた専門家が在籍しており、医学部や附属病院をはじめとする山梨大学の各部門と連携しながら、科学的根拠に基づいた信頼性の高いサービス設計を実現しています。

「研究で終わらせず、社会に届ける」
私たちは、科学とテクノロジーを橋渡しする存在として、医学部発の要素技術を活かし、医療と人々の暮らしをつなぐ未来を見据えています。


ニュース 2025.4.14
山梨中央銀行と連携し在宅型血液検査サービスの実証試験を実施

~働く世代の健康意識と行動変容を促す、予防医療の新たなアプローチ~

当社MIOrder(マイオーダー)は、株式会社山梨中央銀行と連携し、同行の社員を対象とした在宅型血液検査サービスの実証試験を実施いたしました。本取り組みは、働く世代に対して健康状態を確認できる機会を提供することで、予防医療の促進と健康意識の向上を図ることを目的としています。

本実証試験では、検査を通じて得られる数値情報だけでなく、参加者自身の健康に対する気づきや意識の変化、行動変容のきっかけとなるかどうかを総合的に評価しました。検査結果を受け取った後の自己認識の変化や、健康行動へのモチベーションの高まりを重要な評価軸とし、在宅型検査サービスがもたらす価値の検証を行いました。

今後MIOrderでは、本実証で得られた知見をもとに、企業や自治体との連携を深めながら、在宅型検査サービスの社会実装を推進してまいります。すべての人がより気軽に、自分自身の健康と向き合える未来の実現を目指し、私たちは新しいヘルスケアのスタイルを提案し続けます。

在宅型血液検査

■ 目薬1滴程度(50 µl)の血液量で検査が可能
■ 自己採血キットを用いて自身で採血
■ 痛みはほとんど無く幼児でも我慢できる程度
■ 結果をメールで受取可能

以下のような方におすすめします

血液検査を受けたいが通院の時間がない
注射器による採血が苦手
血管が細く採血を失敗されることが多い
健康診断に加えて、定期的に検査を受けたい
従業員の健康管理、健康増進を行いたい

血液検査は健康管理の重要な柱の一つです。疾患の予防や早期発見には、体の内側で起きている変化を把握することが不可欠です。血液の組成は私たちの体調を反映し、時に異常のサインを提示します。例えば、糖尿病や高血圧、肝機能の異常など、症状が現れる前の段階で発見することが可能です。年に1回の健診のみならず、定期的に血液検査を受けることで、生活習慣の見直しや早期の治療を行うことができ、重篤な状態を未然に防ぐことができます。

また、血液検査を定期的に受けることで、自分の健康状態に対する意識が高まり、日々の生活習慣を見直すきっかけとなります。検査結果を確認することで、より健康的な生活を目指すモチベーションが生まれ、食事や運動、ストレス管理などの改善行動につながります。健康増進の第一歩として、血液検査は自己管理をサポートし、長期的な健康維持に役立つ貴重な手段なのです。

健康は何よりも大切な財産です。定期的な血液検査を通じて、自分自身の健康にしっかりと向き合い、未来の自分を守るための行動を今から始めましょう。


生化学検査は、血液や尿などの体液を採取し、それに含まれるさまざまな化学成分を測定することで、身体の状態や疾患の有無を調べるための検査です。具体的には、肝機能・腎機能・脂質代謝・糖代謝・電解質バランスなど、体内の臓器や代謝系の働きを数値として可視化することができ、健康状態の把握や病気の早期発見、治療経過のモニタリングに広く利用されています。

当サービスでは、自己採血キットを使用し、指先からわずかな血液を採取するだけで、通常は医療機関で行う静脈採血と同等の検査が可能です。採取された血液は、生化学分析専用の検査ラボに送付され、医療グレードの分析機器を用いて各種項目の測定が行われます。

自己採血であっても、検査結果の精度は高く、信頼性のあるデータが得られることから、在宅で気軽に自身の健康状態を確認できる手段として注目されています。病気の予防や生活習慣の見直しのきっかけとして、幅広い年代の方にご利用いただける検査です。

弊社の在宅型血液検査サービスは、他社様が自社ブランド・事業として展開される場合に、OEM形式でのご提供が可能です。OEM提供では、弊社が開発・運用する検査キット・分析技術・データ処理・レポーティングシステムを、貴社ブランドにあわせてカスタマイズし、エンドユーザー様に提供いただけます。

■ ブランドカスタマイズ対応:検査キットのデザイン、ロゴ、パッケージ、同梱物などを、貴社ブランド仕様に調整可能です。

■ 高精度な分析・豊富な検査項目:貴社の戦略に合わせて、生化学・遺伝子検査などの検査項目をカスタムして構築することが可能です。

■ 柔軟なレポート形式・データ出力:検査結果は、貴社のサービスコンセプトや提供形態に応じて、PDF・Excel・CSVなど多様なデータ形式でのご提供が可能です。

■ 運用設計の支援:検査申込〜結果返却までの運用フロー設計に関しても、これまでのOEM実績をもとにご提案・サポートいたします。


このような企業様におすすめです

■ ヘルスケア関連サービスを展開しており、自社ブランドで血液検査を導入したい企業様
 パーソナルヘルスケア、ウェルネスサポート、ライフスタイル改善などの領域で、ユーザー向けに独自の検査サービスを展開したい企業様に最適です。

■ 健康管理アプリやオンラインプログラムとの連携を検討されている事業者様
 アプリ利用者の健康データとして血液検査結果を取り入れたい、あるいは定期的な健康モニタリング機能を追加したいサービス事業者様にご活用いただけます。

■ 企業の福利厚生メニューや健康経営施策の一環として導入を検討されている法人様
 従業員向けの健康支援として、在宅で完結する血液検査を提供することで、健康意識の向上、生産性の向上つながります。

■ オンライン診療、遠隔医療、パーソナルドクターサービスを展開している医療機関・スタートアップ企業様
 診療前のデータ収集や、治療経過のモニタリング、個別化医療のサポートツールとして、血液データを柔軟に活用できます。

■ 研究開発・試験目的で血液検査データを収集・分析したい大学・企業研究部門様
 特定の対象者に対する血液データ収集、健康施策・食品・サプリメントの効果検証など、研究設計にあわせた柔軟な対応が可能です。

■ 会員制クラブや富裕層向けサービスでの健康サポートを強化したい企業様
 高付加価値な健康チェックメニューとして、テーラーメイドの検査設計・レポート提供が行えます。

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血液検査キット(生化学検査キット)のパッケージ例

 1. 総タンパク質(TP)高値:慢性炎症、脱水症、自己免疫疾患(多発性骨髄腫など)
低値:栄養不良、肝疾患(肝硬変など)、ネフローゼ症候群、吸収不良症候群
 2. AST高値:肝障害(肝炎、肝硬変)、心筋梗塞、筋肉疾患(筋ジストロフィーなど)
 3. ALT高値:肝障害(脂肪肝、肝炎、肝硬変)、メタボリックシンドローム
 4. γ-GTP高値:アルコール性肝障害、脂肪肝、胆道疾患(胆石症など)
 5. 尿酸(UA)高値:痛風、腎機能障害、高尿酸血症、メタボリックシンドローム
低値:肝疾患、腎疾患、一部の遺伝性疾患
 6. 総コレステロール(TC)高値:脂質異常症(高コレステロール血症)、動脈硬化、心血管疾患のリスク増加
低値:肝障害、甲状腺機能亢進症、栄養不良
 7. LDLコレステロール高値:動脈硬化、高脂血症、心血管疾患(心筋梗塞・脳梗塞)
低値:肝疾患、栄養不良
 8. HDLコレステロール高値:基本的に良好な状態だが、異常高値の場合は特定の遺伝性疾患の可能性
低値:動脈硬化リスク増加、メタボリックシンドローム
 9. 中性脂肪(TG)高値:脂質異常症、メタボリックシンドローム、糖尿病、動脈硬化
低値:栄養不良、甲状腺機能亢進症
 10. アルブミン(Alb)高値:脱水症
低値:栄養不良、肝疾患(肝硬変)、腎疾患(ネフローゼ症候群)
 11. クレアチニン(CRE)高値:腎機能低下、慢性腎臓病(CKD)、筋肉量増加
低値:筋肉量減少(加齢、栄養不良)
 12. 尿素窒素(UN)高値:腎機能低下、脱水、消化管出血、高タンパク食
低値:栄養不良、肝機能低下
 13. フェリチン(FER)高値:ヘモクロマトーシス、慢性炎症、悪性腫瘍
低値:鉄欠乏性貧血、慢性出血
 14. ヘモグロビンA1c(HbA1c)高値:糖尿病、耐糖能異常
低値:低血糖、貧血
 15. C反応性タンパク(CRP)高値:炎症性疾患(感染症、リウマチ性疾患)、動脈硬化、慢性疾患
 16. アルカリホスファターゼ(ALP)高値:胆道疾患(胆石症、胆管炎)、骨疾患(骨軟化症、骨折の回復期)
低値:栄養不良、甲状腺機能低下症
採血手順や採血後の血液の取扱が不適切であった場合には、正しい結果が得られないことがあります。特に高温環境下に晒すことや、採血時の過度な圧迫による溶血は結果に大きな影響を与えます。

本検査項目に基づく評価は、あくまで一般的な例示であり、体の状態や疾患の可能性を示唆するものに過ぎません。個々の健康状態や既往歴、その他の診断検査結果を踏まえた医療専門家による判断を得てください。最終的な診断や治療の決定は、必ず医療機関での詳細な検査と専門医の診断に基づくものとし、自己判断による医療行為を行わないようご注意ください。

肝機能評価
• 項目:AST、ALT、γ-GTP、Alb、ALP、TP
• 疾患・状態:脂肪肝、アルコール性肝障害、慢性肝炎、肝硬変

腎機能評価
• 項目:CRE、UN、UA、Alb
• 疾患・状態:慢性腎臓病、腎不全、ネフローゼ症候群

メタボリックシンドローム・脂質異常
• 項目:TG、HDL、LDL、TC、UA
• 疾患・状態:動脈硬化、糖尿病、脂肪肝、高血圧

糖尿病・血糖管理
• 項目:HbA1c、TC、TG、HDL
• 疾患・状態:糖尿病、耐糖能異常

貧血・栄養状態
• 項目:FER、TP、Alb、HbA1c
• 疾患・状態:鉄欠乏性貧血、栄養不良、慢性炎症

炎症・慢性疾患リスク
• 項目:CRP、FER、ALP、TP
• 疾患・状態:自己免疫疾患(リウマチなど)、感染症、慢性炎症、悪性腫瘍リスク


フェリチンは体内の鉄を主に肝臓や骨髄に貯蔵するタンパク質であり、血中フェリチン値は全身の貯蔵鉄の状態を反映する非常に重要な指標です。一般的な貧血の指標であるヘモグロビンや血清鉄は、すでに鉄欠乏が進行した段階で変化しますが、フェリチンはそれよりも早期に低下するため、鉄不足の兆候をいち早く捉えることが可能です。
特に女性では月経による鉄の喪失が多く、またダイエットや偏食などによって鉄摂取量が不足することもあるため、表面的には健康に見えても体内では鉄の蓄えが枯渇しつつある、いわゆる「隠れ貧血」の状態に陥っていることが少なくありません。このような潜在性鉄欠乏を放置すると、やがて動悸や倦怠感、集中力の低下などの症状が現れ、生活の質を著しく損なう恐れがあります。
一方で、フェリチン値が基準値を超えて高値を示す場合には、体内に鉄が過剰に蓄積されているだけでなく、肝機能障害や慢性炎症、悪性疾患などが背景にあることも考慮する必要があります。したがって、フェリチンは単なる貧血の早期発見だけでなく、全身の健康状態を俯瞰的に把握するうえでも極めて有用な指標であると言えます。
在宅型血液検査サービスでは、フェリチンを含む複数の項目を一度に測定することが可能であり、ご自宅で簡便に、かつ医療機関と同等レベルの分析結果を得ることができます。日常的な健康管理において、自覚症状のない不調を見逃さず、疾患の予防や早期対応につなげるために、フェリチンの定期的な測定をぜひご活用ください。

 フェリチンの構造と役割

  • フェリチンは 24個のサブユニットからなる球状のタンパク質複合体です。
  • 直径は約12 nm。内部に中空の空間があり、そこに最大で 約4500個の鉄原子(主にフェリ水酸化物の形)が蓄えられます。
  • フェリ水酸化物は、三価鉄(Fe³⁺)が水酸化物イオン(OH⁻)と結びついた不溶性の無機化合物で、微結晶のクラスターを形成しています。
  • フェリチンの鉄は必要に応じて還元され、トランスフェリンを介して再利用されます。
  • 血清フェリチン濃度は臨床的に体内の鉄ストレージの指標として使われます。

1. アスリートにおけるパフォーマンス管理

持久力系アスリート(ランナー、トライアスロン、サイクリストなど)は鉄欠乏を起こしやすい傾向があります。理由として、発汗・消化管出血・足裏の衝撃による溶血などによる鉄の喪失、女性では月経による鉄損失もあります。
ヘモグロビン値が正常でも、フェリチン値が低下していると、酸素運搬能力が低下し、持久力や回復力に悪影響が出る可能性があります。

2. サプリメント使用者のモニタリング

鉄サプリメントを自己判断で摂取している人も多いですが、過剰摂取は酸化ストレスや肝機能への負担となる可能性があります。フェリチン測定によって、現在の鉄摂取が適正か、鉄が過剰になっていないかを評価できます。

3. 慢性疲労・冷え・集中力低下の評価

ヘモグロビンなど他の血液検査が正常でも、「疲れやすい」「冷える」「集中できない」「抜け毛が増えた」などの症状がある人は、隠れた鉄欠乏が隠れていることがあります。該当しやすいのは、月経がある女性、ビーガン・ベジタリアン、過度なダイエットをしている人です。

4. 美容やアンチエイジングの分野での活用

フェリチンはコラーゲンの合成や肌のターンオーバー、毛髪の成長などにも関与しているため、美肌・美髪の維持にも関係します。十分な貯蔵鉄があることは、見た目の健康を保つうえでも重要です。

5. 栄養状態の「見える化」

フェリチン値は、食事・サプリメント・運動などの成果を定点的に把握する「見える化ツール」として有用です。自分の体の栄養状態を客観的に把握し、過不足なく調整するための指標になります。


血液検査は、目的や評価したい体の部位・機能によって、いくつかの種類に分類されます。現在、当社が提供しているのは「生化学検査」に限定されますが、その他の血液検査との違いを理解することで、検査の意義や役割がより明確になります。

血球計数検査(血算)

血算(CBC:Complete Blood Count)は、血液中に含まれる赤血球、白血球、血小板などの「細胞成分」を調べる検査です。主に、貧血や感染症の有無、出血傾向、また白血病などの血液疾患のスクリーニングに用いられます。赤血球数や白血球数、ヘモグロビン濃度、血小板数などの値を測定し、血液の“質と量”を確認します。
一方、生化学検査はこれらの細胞成分ではなく、「血液中に溶け込んでいる化学成分(酵素・糖・脂質・電解質など)」を対象とし、内臓の機能や代謝のバランスを調べるものです。

免疫・感染症検査

免疫学的検査は、炎症反応や自己免疫疾患、特定のウイルスや細菌への感染を検出する検査です。CRP(C反応性蛋白)による炎症評価や、HBs抗原・HCV抗体などの感染症マーカーの検出、リウマチ因子(RF)や抗核抗体(ANA)といった自己免疫疾患のスクリーニングが含まれます。
これらの検査は、免疫の異常や感染症リスクに着目しているのに対し、生化学検査は臓器の代謝や機能状態のモニタリングが主目的です。

ホルモン検査

ホルモン検査は、甲状腺や副腎、生殖器などから分泌されるホルモンの量を測定し、内分泌機能の異常を発見する検査です。TSH(甲状腺刺激ホルモン)、FT3・FT4(甲状腺ホルモン)、インスリン、エストロゲンやテストステロンなどの項目があります。
ホルモンは非常に微量ながら身体の恒常性に大きな影響を与えるため、ホルモンバランスの乱れが疑われる場合に有用です。生化学検査と異なり、ホルモン検査はタイミングや性別、月経周期などの影響を強く受ける特徴があります。

腫瘍マーカー

腫瘍マーカー検査は、がん細胞が体内で産生・分泌する特定の物質(例:PSA、AFP、CEA、CA19-9など)を血液中から検出することで、がんの存在や再発の兆候を評価する検査です。
一方、生化学検査では腫瘍の有無を直接評価することはできませんが、臓器の機能低下など間接的な所見から異常の早期発見に貢献することがあります。


このように、血液検査にはそれぞれ異なる役割と検出対象があります。当社が提供する生化学検査は、特に生活習慣病のリスク評価や内臓機能のモニタリングに優れており、日常の健康管理や定期的なセルフチェックに適しています。生化学検査で身体の“基礎データ”を知ることが、健康管理の第一歩となります。
自己採血によって、ご自宅にいながら医療機関と同等の生化学検査を受けることができるのが、当社サービスの大きな特長です。忙しい毎日の中でも、定期的に健康状態を確認したい方、病気の兆候を早めに把握したい方に最適です。


自己採血キット(管理医療機器承認番号:22900BZX00300000
管理医療機器販売業届出済

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認知症リスク検査

「どうやって届くの?」「本当に自分でできるの?」「検査結果は信頼できるの?」
認知症は発症するまで気づきにくく、気づいたときには対策が限られる疾患です。
MIOrder(マイオーダー)は、山梨大学医学部発の研究開発型ベンチャーとして、
認知症の「予兆」や「なりやすさ」を科学的に見える化する新しい在宅検査を開発しました。

本検査は、分析化学に基づく研究開発から生まれた、信頼性の高い在宅型リスク検査です。
ご自宅に届くキットで、ご自身で簡単に採血し、ポストに投函するだけ。
回収された検体は、専門の検査室にて適切に解析され、精度の高い結果をお届けします。

将来のリスクを、今のうちに「見える化」して、安心につなげていきませんか?

以下のような形式で報告します
(予告なくデザインを変更する場合があります)


APOE遺伝子は、脂質代謝に関与するタンパク質「アポリポプロテインE(Apolipoprotein E)」を作る設計図となる遺伝子です。このタンパク質は、体内のコレステロールや脂質の運搬に重要な役割を果たし、とくに脳内における脂質代謝の調整に深く関わっています。
APOE遺伝子には、塩基配列の違い(遺伝子変異)によって主に3つの型(アレル)であるε2、ε3、ε4が存在します。これらのアレルはすべて自然な個人差の範囲にあるものですが、数多くの研究により、ε4アレルを1つまたは2つ持つ人は、持たない人に比べてアルツハイマー型認知症を発症するリスクが高いことが示されています。一方で、ε2アレルはリスクをやや低下させる方向に働く可能性があるとも言われています。

遺伝子の変異とは、DNAの塩基配列に起こるわずかな変化のことを指します。DNAは「A(アデニン)」「T(チミン)」「G(グアニン)」「C(シトシン)」という4つの塩基が特定の順番で並ぶことで、体のあらゆる機能を決める設計図の役割を果たしています。この配列の一部が置き換わったり、欠けたり、追加されたりすることで、タンパク質の構造や働きに影響が生じることがあります。
APOE遺伝子におけるε2、ε3、ε4といった違いも、まさにこうした塩基配列の違い(多型)によって生じるものであり、人それぞれの体質や病気の「なりやすさ」に関係しています。ただし、これらの変異は「発症そのものを決めるもの」ではなく、「発症するリスクに影響を与える」ものです。多くの人がε4アレルを持っていても発症しない一方、持っていない人でも認知症を発症することがあります。

アルツハイマー型認知症は、脳内にアミロイドβと呼ばれるタンパク質が異常に蓄積し、神経細胞に障害を与えることが大きな特徴のひとつです。アミロイドβは本来、脳内で産生されたのち適切に排除される仕組みがありますが、そのバランスが崩れると蓄積し、「老人斑」と呼ばれる構造物を形成します。このアミロイドβの代謝に深く関与しているのがAPOE遺伝子です。APOEは脂質の運搬や回収に関わるタンパク質を作る遺伝子であり、特にε4型を持つ人では、アミロイドβの排除効率が低下すると考えられています。その結果、脳内でのアミロイドβの蓄積が進行しやすくなり、アルツハイマー病の発症リスクが高くなることが報告されています。このように、APOE遺伝子の型によってアミロイドβの蓄積リスクが異なることから、APOE遺伝子検査は将来的な認知症リスクを知る一つの手がかりとして注目されています。

APOE遺伝子検査により認知症リスクを判定することで、生活習慣の改善や予防的介入を早期に行うことが可能になります。遺伝子の型は生まれつき決まっているため、若いうちにリスクを把握することで、将来に備えた健康管理や生活習慣の見直しを早期に始めることができます。
また、現在開発・実用化されている認知症の予防薬や進行抑制薬は、発症後では効果が限定的であることが多く、発症前やごく初期段階での投与がより効果的と考えられています。そのため、リスクを事前に知り、予防的な対策を講じることが非常に重要とされています。さらに臨床の場面では、こうした遺伝的リスク情報を活用して、個人に合わせた治療や予防戦略を立てる個別化医療(プレシジョン・メディスン)にも役立てられています。

APOE遺伝子のε4アレルを保有している場合、アルツハイマー型認知症の発症リスクが統計的に上昇することが報告されていますが、これはあくまで発症の可能性を示すものであり、診断を行うものではありません。ε4アレルを保有していても発症しない方も多く、また保有していない方でも認知症を発症する可能性はあります。
また本検査は医療行為や診断を目的としたものではなく、ご自身の健康管理や予防的な生活習慣の見直しに役立てていただくための参考情報としてご提供しています。提示されるリスク値は、学術文献および公的データに基づき、当社が独自に整理・推定した統計的な指標であり、個人の発症を確定的に予測するものではありません。

アルツハイマー型認知症(約65〜70%)
脳組織にアミロイドβやタウタンパク質が蓄積することで神経細胞が壊れ、物忘れから始まり徐々に認知機能が低下していきます。本検査ではこのアルツハイマー型認知症の罹患リスクを評価します。
血管性認知症(約15〜20%)
脳梗塞や出血などで脳の血管が傷つき、段階的に認知機能が低下し、歩行障害や感情の変化が見られることもあります。
レビー小体型認知症(約4〜7%)
レビー小体という異常なタンパク質が脳組織に蓄積し、幻視や認知の変動、体のふるえなどが特徴です。
前頭側頭型認知症(約1〜3%)
前頭葉や側頭葉が萎縮し、人格や行動、言葉の使い方に早い段階から変化が現れます。比較的若年で発症するケースもあります。
混合型認知症(約10〜15%)
複数の原因が重なって起こり、いくつかのタイプの症状が同時に見られます。アルツハイマー型と血管性認知症の合併が典型です。
※ 上記の罹患率は、日本における疫学調査等に基づいたおおよその割合であり、地域差や調査年により変動する可能性があります。

近年の研究により、アルツハイマー病は発症の数十年前から脳内で病変が進行していることが明らかになってきました。症状として物忘れが現れる頃には、すでに神経細胞の変性やアミロイドβの蓄積が進んでいるケースが多く、発症前の段階でリスクを把握し、生活習慣や医療的介入によって進行を遅らせることが重要とされています。

従来は高齢者の疾患と捉えられていたアルツハイマー病ですが、生活習慣・遺伝要因・環境要因などの蓄積が若いうちから始まっていることが分かっており、若年期からのリスク評価と予防が重視されるようになってきました。

特に、アポリポプロテインE(ApoE)遺伝子型との関連や、慢性的な高血糖・脂質異常症・高血圧などの生活習慣病が脳の老化を加速させることは、複数の疫学研究から支持されています。これにより、「脳の健康寿命」を延ばすための早期対策が世界的な関心を集めています。

私たちは、こうした最新の医学的背景をもとに、若年層における認知症発症リスクの傾向を早期に捉える評価ツールを提供しています。ご自身のリスクを客観的に知ることで、運動・食事・睡眠といった生活習慣の見直しにつなげ、将来のリスクを最小限に抑えることが可能です。

「まだ大丈夫」と思っている今こそが、将来の健康を守るための出発点です。認知症を「予防できる時代」だからこそ、早めの一歩を踏み出しませんか。

自己採血キット

自己採血キットを用いて血液を採取し
チルドゆうパック(送料無料)で

郵送をいただきます
結果はメールでお知らせします

パッケージデザインや内容物は
予告無しに変更する場合があります

他サービス一覧

調査
研究
ライティング

実験・成分分析
データ解析
デザイン制作


• 作業を開始した時点で料金が発生します。お客様ご都合によるキャンセルの場合、いかなる理由におきましても作業分の料金をお支払いいただきます。
• 料金は作業内容によって異なります。ご依頼内容を確認し、お見積りを提示させていただきます。
• 料金のお支払い方法は銀行振込です。お振込手数料はご負担いただきます。

初回のご連絡は必ずお問い合わせフォームよりお願いいたします

会社概要


■  会社名  株式会社MIOrder / MIOrder Corporation


■  代 表  代表取締役 吉村 健太郎


■  設 立  2023年5月12日


■  特 徴  国立大学法人山梨大学発ベンチャー企業(研究成果ベンチャー)


■  顧問弁護士 永淵 智(永淵総合法律事務所)


■  顧問会計事務所 税理士法人深澤会計事務所


■  管理医療機器販売業届出済(山梨県、2024年〜)